10年後の宇宙時代に向けた「 月面基地 」構想と課題

宇宙開発

今回は宇宙開発に興味があり、本格的な宇宙時代の到来が2030 ~ 40年と言われておりその頃には月面での人類の活動が行われると言われております。その際には人類が月面で暮らすための「 月面基地 」が必要だと考えます。その月面基地にはどのような設備が必要でその設備の用意のためにはどのような課題があるのかを調べてみました。

少し話は逸れてしまいますが、宇宙開発に興味があってそれを応援したい場合には、「宇宙開発を行っている企業に投資」するという、企業を応援しつつも自分がその配当利益を受け取るというWin-Winの関係に興味がある方はぜひ以下の記事も参照してみてください。

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月面基地 にはどのような設備が必要?

まずはじめに人類が月面で生活する「月面基地」を想定してこの記事は書いております。人類が生活に必要なものとして挙げられるのは、酸素・水・エネルギーなどのユーティリティ類、食料、そして月面と地球との報復手段です。

これらの観点から以下のような設備が必要になると考えました。 

  • 太陽光発電・蓄電プラント
  • 氷(水)からH2, O2を分解してロケット用推進剤の生成・貯蔵・ロケットへの充填を行うプラント
  • 植物工場、昆虫食工場
  • レゴリス(月の砂)を融解し一般鋼材をつくる工場

 

月面でのプラント建設の課題

[輸送時の課題]

  • 莫大な輸送費→一般材料の現地生産を行う (次項.1)
  • 使用可能スペースの制限→一般材料の現地生産を行う (次項.1)
  • 打ち上げ時の振動→振動に耐える機器設計・開発

 

[宇宙環境特有の課題と対応策]

  • 温度差→温度・圧力を地上と近くする温調システムの整備、温度変化の影響を比較的受けない地下空間の利用
  • 低重力→低重力時のプロセス制御研究 (シュミレーション上での模擬実験)
  • 小隕石の衝突→保護シェルターの建設、地下空間の利用
  • 国際規格がない→(JAXA, NASAなど調べる?)
  • 労働力不足→遠隔操作技術の活用 (次項.2)

 

宇宙開発における技術革新

宇宙開発の技術革新(ブレイクスルー)を起こすために必要な要素としては以下が挙げられます。

  1. 資材の現地生産技術 (汎用資材の現地生産・成形)
  2. 通信・遠隔操作技術 (遠隔操作で組み立て)
  3. 宇宙への輸送技術 (人・重要資材の輸送費のコスト減)

資材の現地生産技術 (汎用資材の現地生産・成形)

溶融塩によるレゴリスの電気分解

ESA(欧州宇宙機関)の報告の紹介記事 によると、レゴリスから酸素と合金粉末を得ることができると報告がありました。

レゴリス(堆積物)は、重量のうちの40%から45%を酸素原子で占め、酸素原子は鉱物や硝子といった物質と化学結合して酸化物を形成しており、月面にある資源を有効活用する目的で研究が進められております。

レゴリスシミュラント(月面模擬砂)をメッシュかごに投入し、電解質として塩化カルシウムを加え、摂氏950度まで熱したうえで、電流を流してレゴリスから酸素を抽出。15時間で75%の酸素を抽出し、50時間で96%の酸素を抽出することに成功した。利用可能な状態で抽出された酸素は全体の3分の1にとどまったものの、今後の改善次第で、その効率性を高められる余地は十分にあるという。また、レゴリスシミュラントから酸素を除去したことで、副産物として合金も生成された。

 

通信・遠隔操作技術

AR, VRと遠隔操作の活用

ヘッドマウントディスプレイと遠隔操作技術を統合することによって、地球に居ながら月面にいるかのように操作を行うことができます。月面と地球とで距離があるためタイムラグがありますが、あたかも自分がその場にいるように情報を把握しながら操作できればより細かいオペレーションが可能になると考えます。

この遠隔操作技術は5G の到来により、医療分野での導入が現在検討を進められております。5Gとは高速・大容量」「低遅延」「多数端末との接続」の特徴を持つ次世代型の通信技術であり、医療分野では精密な操作が要求されるためにこの5人の導入が検討されております。この技術は宇宙開発分野でも使えると考えます。

参考HP

宇宙への輸送技術 (人・重要資材の輸送費のコスト減)

宇宙への輸送費用が宇宙開発の大きなネックのひとつです。

アメリカのスペース X が開発するロケットや日本のインターステラテクノロジーなどの民間企業がロケット開発に参入し機能の高度化や価格低減が期待されておりますがそれでも宇宙に物を輸送するということは膨大な費用がかかります。

革新的な技術として宇宙エレベーター(別名:軌道エレベーター)構想があります。

これは地球の軌道上に浮かぶ宇宙ステーションから地球側に向けてケーブルを伸ばし、またその反対方向に同じ長さ(又は質量)だけのケーブルを伸ばし、地球側のケーブルを使ってエレベーターのように軌道上の宇宙ステーションへ荷物を運ぶという思想です。これが実現すればロケットの打ち上げに必要な、地球の重力を振り切る宇宙圏に到達させるまでのエネルギーを 節約することができます。つまりこの宇宙ステーションまでは宇宙エレベータを使って荷物を運び、そこはすでに宇宙圏なのでそこから少ないエネルギーで月面まで物資を輸送することが可能になるということです。

ただしこの宇宙エレベーターにも課題があり現状宇宙ステーションから地球まで垂らせるだけの強度を維持したケーブルを作成できないという点です。技術的にはカーボンナノチューブを使うことで強度が足りるのですが、このカーボンナノチューブは現在数十センチメートルまでしか作ることができないです。

最後に

今回は人類が月面で暮らすためにはどのような設備が必要でその設備の用意のためにはどのような課題があるのかを調べてみました。技術は日々進歩しているので、もしかしたら10~20年以内に今回挙げた課題を解決する技術革新が起こっているかもしれません。日頃からこういった技術分野に目を光らせて情報収集を行いまたここで共有していけたらと思います。

少し話は逸れてしまいますが、宇宙開発に興味があってそれを応援したい場合には、「宇宙開発を行っている企業に投資」するという、企業を応援しつつも自分がその配当利益を受け取るというWin-Winの関係に興味がある方はぜひ以下の記事も参照してみてください。

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