「投資」と聞くと十分な資金を持った40代・50代、そして定年退職した60代がやるものというイメージがありますが、あえて言います。20代ほど投資に取り組むべきなのです。
20代サラリーマンで投資と聞くと、まだ十分な余裕資金がなく「投資」は何となく借金のリスクがありそう、というイメージがあるかと思います。
しかし、余裕資金ができる40~50代の方々よりも、今20代の人のほうが今後控えるライフイベント「結婚」「住宅購入」「教育資金」があり、必要になる金額が圧倒的に多いのです。
そこで20代の方が他の年代に比べて持っている大きなメリットを活かすのです。
それが、「時間」です。そしてこの「時間」と「投資」の相性がとてもいいのです。
「投資」に興味があってもいきなり「株」や「つみたてNISA」や「FX」を始める必要はございません。
あなたがもし企業に勤める会社員であれば「 企業型確定拠出年金 」から運用して勉強すればいいのです。
資産運用全般について知りたい人は、以下の記事も見てみてください。
企業型確定拠出年金 とは?
企業型確定拠出年金とは、企業で働く人の退職金を作ることを目的とした運用です。
20年前までは銀行の金利が十分に高くて、我々の退職金を用意するために銀行に預けるだけで資産が増えていきました。
しかし、近年は銀行も低金利となったことで企業が退職金を確保することが難しくなってきました。
そのために企業が月々の掛け金を用意するので一人ひとりが責任をもって退職金・年金用の資産を運用して増やしてください、という制度が「 企業型確定拠出年金 」です。
この記事では私が知らないうちにやらかしてしまった企業型確定拠出年金の運用方法の失敗談をご紹介します。
入社時に知らない内に設定
私が企業型確定拠出年金についての説明も受けたのは入社して間もない、新入社員研修を受けていた時のことでした。
当時の記憶では就業時間の後にこの確定拠出年金を運用する会社の販売担当者が来て制度や利用方法について説明してくれました。
私の会社では、三菱UFJ信託銀行の確定拠出年金を使用していました。
その時は金融リテラシーもなく、販売担当者や人事が言うままに申込書を書き運用設定をしていました。
そしてこの時に申し込んだのを忘れたまま4年間経ちました。
資産運用に興味を持ち始めたそんなある日、ふと自分が確定拠出年金をやっていたことを知り、4年間の間にどれだけ運用できたのか期待しながら評価画面を見てみました。
その結果がコチラ。。
この、「拠出金額累計」は企業が出した金額のことで、「評価損益」が運用によって得られた金額の合計です。
この評価損益が4年間で0円。。プラスでもマイナスでもなく0円ということはどういうことか、を見てみました。
気づかずに「元本確保型」で4年間運用
四年間で評価損益が0円ということは冒頭で述べた20代の時間というメリットを全然有効に使えていないということです!
その原因がこちらです。
元本確保型100%となっています。この元本確保型という設定は私が入社当時に設定したものであり、これの意味することは企業が用意した掛金を運用せず、そのまま貯金として貯め続けるというものです。
そこで、運用方法を変更するために「運用商品預け替え」を行いました。
運用商品預け替え
「運用商品預け替え」とは、その名前のとおり運用している商品を一部売却しその金額で別の商品を購入することです。私は、「元本保証型」を売却後に、「投資信託型」を購入しました。
このときの購入割合は、国内株式 / 海外株式 を 50%/50%で運用する方法です。
購入割合を決める際には「初めての人のための3000円投資生活」という書籍の情報を参考にしました。
この書籍では投資経験がゼロでも貯金がなくても初心者が始められて、お金がしっかり増えていく方法を紹介しているということがウリで人気の書籍です。
この本のエッセンスは
- 節約をし続けるだけではお金は増えていかない
- 低金利の現代では銀行にお金を預けているだけではお金は増えない
ということでこれらの問題を解決するために以下の
- 投資を学び少しずつお金を増やしていくこと
- リスクの少ない少額から学び始めること
方法が紹介されています。
書籍で投資の考え方や設定について勉強したし、これで企業型確定拠出年金も怖くない、と以下の設定にしました。
国内株式と海外株式を50%ずつとした設定なので。株式100%の運用設定となっています。
これで時間を味方につけたリスクを取った資産運用ができると思いまた私は1年間ほどこの設定で様子を見ることにしました。
運用商品預け替えも失敗??
そして2020年の2月世界経済がコロナショックにより大混乱している頃、私の企業型確定拠出年金の運用はどうなったかなと不安になり確認してみました。
資産評価額を見てみるとリスクを取った運用を行っていたのでやはり評価損益としては約3万円のマイナスでした。
ここはやはり株式100%で運用したリスクの結果なのでしょうがないと思います。
一方、運用商品を見てみると、なんと40%近くも「元本確保型」の商品があります。
前の章でも紹介したように、運用商品の預け替え行ったにも関わらずなぜ依然として元本確保型があったのか、不思議に思いもう一度設定を見直しました。
するとわかったことは、運用商品預け替えは、現在保有している民謡商品を売却し新たに購入するというものであって、企業から月々もらう掛金をどのように運用しどの商品を購入するかという設定を変えるものではなかったです。
その設定は「掛金変更」にて行います。
掛金変更
掛金変更では前の章で紹介した運用商品預け替えを行った商品に掛金を割り当てて行きます。
この割り当ては以前は国内株式と海外株式を50%ずつで株式100%に割り当てていましたが、今回は敢えて元本確保型を残して積み立てておく設定としました。
私の設定は以下の通りです。
元本確保型:30%
国内株式:35%
海外株式:35%
これで、これ以降の月々の拠出金は上記で設定した運用商品の購入に使われていきます。
ところで今回、元本確保型と株式を30%:70%とするように設定しました。
このように設定した根拠は、元本確保型を残しておくことのメリットに今回のコロナショックで気づいたからです。
元本確保型のメリット
投資で儲かる基本原理は月々の「配当金(インカムゲイン)」と、安値で買った物を高値で売る「値上がり益(キャピタルゲイン)」の二つです。
そしてより多くの収益を得られるのは後者の「値上がり益(キャピタルゲイン)」です。
このキャピタルゲインは単純に言えば、運用商品が安値で取引されている次期、例えば世界経済が暴落したリーマンショックの時やコロナショックの時に大量に安い値段で運用商品を購入し、そして経済が回復して運用商品の値段が戻ったところで売却することで値上がり益を得ることができる方法です。
いわば大暴落の時こそ運用商品の買い時なのですが、これには落とし穴があります。
それは、今自分が保有している運用商品も値段が暴落しているためこの時期に売ってもまとまった金額にならないということです。
企業型確定拠出年金では個人の余裕資金を追加投入できるような仕組みはなく、月々一定の額を企業からの拠出金が入ってくるのみです。
これでは大暴落時に運用商品を買い足すことができません。
そんな時に役に立つのが「元本確保型」の運用商品です。
この元本確保型の運用商品は投資に回されないため、世界経済がどのような状況になっても元本、つまりその価値は変わりません。
今回はたまたま設定を変更し忘れたことで、元本確保型の運用商品が約40%溜まっていましたが、もし前回の掛金変更で全額を株式投資で運用をしていたらコロナショックでの損失はもっと大きかったでしょう。
元本確保型の運用商品をある程度保有していたので、今回の安値の時期に運用商品を購入することができました。
その方法は先も紹介しました運用商品預け替えです。
コロナショックでの運用商品預け替え
以下に運用商品預け替えの実際の取引画面を紹介します。
まず初めに売却商品を選択します。 今回選択するのはもちろん元本確保型の商品です。
続いて選択した商品の売却金額、もしくは売却割合を指定します。
今回は全額を運用商品の投資に回したいので100%とします。
そして今度は購入商品を選択しそれぞれの購入割合を入力します。
こうすることで元本確保型商品を売却し現在値段が下がっている株式の運用商品を購入することができました。
なお前の章で述べた掛け金の変更を行う場合にはここの運用割合変更を押すことで設定ができます。
「 コロナショック 」を経験して、資産運用方針を見直したい人、または今が好機ととらえて新たに投資を始めてみたい人に向けて書いて、実際に私も実践している方法はコチラをごらんください。
最後に
今回は20代の方で「投資」に興味があり、「 企業型確定拠出年金 」の制度のある方にむけて運用方法と私の失敗談を紹介しました。
始めは自分で理解しないままに設定していたことで投資のチャンスを逃していました。
しかし一方で、コロナショックのように大暴落が起きた際には、手元にまとまったお金があることで、安値の運用商品を購入することができ、将来大きな運用益を手に入れるチャンスでもあります。
今回は、そんな過去の失敗からの教訓を活かした設定を行い、今後の長い社会人生活の資産運用の知見として紹介しました。
会社員で投資に興味がある方は、まずは見落としがちな「企業型確定拠出年金」で投資の考え方に慣れていきましょう!
資産運用全般について知りたい人は、以下の記事も併せてどうぞ。
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