ウルトラマラソン 初めてでも安心 完走のための5つの心得

ウルトラマラソン/Ultramarathon

“ウルトラマラソン”て言葉は聞いたことありますか?「フルマラソン42.195kmより長距離のマラソン」の一般名称で、距離は大会によってまちまちですが「70km, 100km, 118km」といったものがあります。「そんな、100kmなんて走れない」「フルで限界」という言葉も聞きますが、このウルトラマラソンは“自分の限界への挑戦”のわかりやすい例の一つだと思います。

実は私、その大会に8回出て8回完走しています!そこで今回は少しでもウルトラマラソンに興味を持った方のために、完走のための5つの心得を紹介します。

参加申し込み

ウルトラマラソンの申し込みは基本的に半年前から始まる大会が多いです。しかし、開催時期や日程は基本的に前年度の大会から大きく変更になることはないので、年間レース計画を立てる際には、前年度の大会の日程を参考に大まかな目途を立てることは出来ます。
参加申し込みは、開催半年前~2,3か月前までが基本です。しかし、大会によっては「アーリーエントリー制度」というものがあります。これは、早い段階で参加申し込みをした人には大会限定グッズやご当地グッズがもらえる、といった内容です。参加が確定しているレースの場合はこのアーリーエントリー制度を狙ってみるのもアリかもしれません。

前日/当日受付

可能ならば前日受付がお勧め

他のマラソン大会と異なり、ウルトラマラソンのレース開始は早いです。基本的に早朝の4時~5時の間にスタートします。そうなると、レース前の最終受付やゼッケンの配布などの準備時間にさける時間は限られてきます。そのために大会の前日受付がお勧めです。どうしても日程の都合で前日入りできない方は当日受付も可能です。しかし、当日受付は2:30~レース開始30分前など非常に朝早くまたレース開始ギリギリとなることが予想されます。可能であれば前日のうちに受付を済ませておいて、当日は時間に余裕をもってレースに挑めるとよいと思います。

大会グッズの購入や地域名産品も

受付周辺では大会オリジナルグッズや補給食や帽子などのランニンググッズが売られていることが多いです。買い忘れたものがある場合はこの機会を利用して買うことも可能ですが、大会や時間によっては用意されていないこともあり得るので過度な期待は禁物です。
また大会によってはレース前日にご当地イベント等を開催していることもあります。日光ウルトラマラソンの場合は、観光優待券が事前に郵送されていました。時間に余裕がある場合はコースの下見がてら観光もおすすめです。

レース当日

起床から会場移動

基本的にレースは早朝4時ごろ開始ですので、私は余裕をもって2時間前に起きるようにしています。つまり、深夜2時起床…早すぎる!!ウルトラマラソン前の1~2週間は体を慣らすためにもレース当日に近い時間での起床・睡眠をおすすめします。その後、朝食を宿でとりレース会場に向かいます。この時、大会によっては注意が必要なのですが、レース会場に直接行けない場合があります。それは、レース会場に十分な駐車スペースが無い場合です。その場合は大会側の用意したレース会場から離れた駐車場に車を停めたのちに、送迎を利用してレース会場に移動するというものです。この場合、宿から直接会場に行くよりも時間がかかってしまうので宿泊地選びやスケジュール決めの際には注意してください。

手荷物・ピックアップ荷物を預ける

レース会場に着いたら、手荷物預けとレース中のピックアップ用荷物を預けます。このピックアップ荷物は大会にもよりますが、基本はレース中盤50km付近で預けた荷物をピックアップできる制度です。このピックアップ荷物には補給食や替えの着替え等をいれて後半のレースを有利に運ぶように戦略をたてます。

レース直前/スタート直後

ウルトラマラソンならではのレース直前/スタート直後の対策が必要な場合があります。それは、スタート前の”冷え”,”暗さ”と”トイレの混雑”です。この3つは開催時期に大きく依るのですが、スタート時間の早いウルトラマラソンではこの2つの対策が求められます。

スタート前の冷えの対策

“冷え”は手荷物預けからスタート開始まで30分~1時間ほど間隔が空く場合がありますので、上着なしでスタート地点でずっと待機している間に体が冷え切ってしまう原因となります。
この冷えへの対策は、軽量ウインドブレーカーを準備する、諦めて室内で待つなど色々対策があります。が、私がお勧めする対策は「ごみ袋ポンチョ」です!

「ごみ袋ポンチョ」は一般家庭用の大きめのごみ袋に顔・腕を出す用の穴を3箇所あけた至ってシンプルなものです。しかし、これがあるのと無いのでは大きな差を生みます。
このごみ袋ポンチョのメリットは、

  • 簡単に作れる(材料費もほぼタダ))
  • 日が出た後、いつでもエイドのごみ箱に捨てられる
  • 少しの雨ならウェアが濡れるのを防いでくれる

デメリットとしては、

  • 耐久性に難がある、数回の脱着で切った穴が広がる
  • ごみ袋内が蒸れる
  • 見た目がダサい

このごみ袋ポンチョ以外にも、スポーツ店から簡易ポンチョが売られているので上記のデメリットが気になる場合はそちらを購入してもよいかと思います。

 

 

スタート直後の薄暗い中を走るには

スタート直後の”暗さ”、これはまだ日が昇り始める前にスタートするウルトラマラソンならではの問題です。ヘッドライトや懐中電灯を持ちながら走ってるランナーも多く見かけます。”暗さ”のために足元を照らす目的で使用するランナーが多いかと思いますが、それ以上にスタート直後では周りのランナーに自分を認識させるという役目もあります。スタート直後はかなり人口密度が高い状態で走りますので他のランナーとの衝突の恐れもあります。そういったことを防ぐためにも、ライトを用意できないランナーは蛍光板つきのウェアを着用するとか、シールタイプの蛍光板をつけるといった対策が有効です。

 

 

スタート直後に大混雑、トイレ事情

そして最後の”トイレの混雑”。これは大規模な大会ではつきものの悩みです。スタート直後は集団で走るのと、スタート前の待機時間の間にトイレに行きたくなる人が出るために最初のほうのエイドではトイレの大渋滞が起きます。100kmという長い目でみたら数分のロスは大したことないかもしれませんが、それでも精神衛生上トイレの待ち時間は短い方がいいですよね。そんな方のための裏技は「公共トイレを利用する」です。

前述のとおりエイド近くの仮設トイレは多くのランナーで渋滞になります。しかし、ウルトラマラソンはその特性上コースが普通の街中であることが多いです。そうなれば、途中にその町の公共トイレが存在することも多々あります。どうしても心配な人はコース上の公共トイレを予め調べておくと安心です。

その他にも、コンビニを利用するという裏技もありますが、大勢のランナーがコンビニを利用すると一般客に迷惑がかかりますので緊急事態を除いてなるべく利用は控えたいですね。

レース中

レース中は様々な障害がつきまといます。筋肉や関節の痛み、くつずれやマメなど。これらのトラブルは普段の練習や過去のレースでの経験からある程度の予測がつきますので、それらの対策は各個人でしっかりと立てておりてください。

ガス欠で動けない、ハンガーノック

ここで紹介するのは、”ハンガーノック”についてです。

ウルトラマラソンにおいて「ハンガーノック」は大きな脅威です。体内のエネルギー源が枯渇して一歩も、踏ん張りが効かなくなり上り坂を登ることが出来なくなります。また絶えず空腹感に襲われ、少し走るだけでエネルギーを使い切ってしまい走れなくなります。意識ははっきりしていても通常より思考が鈍ります。

特にこのレース終盤では、日も暮れ始めて気温が下がり今までにかいた汗による体温の低下が起こります。エネルギーが枯渇している場合は、体感温度も下がる上にますます体力的・精神的に辛くなります。ハンガーノックの恐ろしいところは、ひとたびなってしまうと再び食事をしてカロリーを摂取しても、それを分解してエネルギーとする、吸収するだけの体力すら失ってしまうということです。ハンガーノックの最悪の場合は意識を失ってしまいます。

では、このハンガーノックの対策は?…予防が大前提です。ハンガーノックの対策として、各エイド毎での補給やレース時にあまり食べられないという方は市販されているジェルタイプの補給食を用意することをお勧めします。もちろん、レース当日でいきなり試すのでなく、事前の練習で一度試すことを忘れないようにしてください。

 

 

最後に

ここまで、ウルトラマラソンの流れとして申込からレース中の事項までを述べてきました。これらの事を知っていることでウルトラマラソンに対するハードルは大分下がったかと思います。しかし、一番大事なのは普段の練習とそれによって培われた基礎体力です。しっかりとした身体が出来ていれば、あとは当日にその力を出せるためのこれらの準備が精神の支えになります。一人でも多くのランナーがウルトラマラソンの世界に挑戦して、また完走できますように!

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