伊豆大島ジオパークマラソン 完走&楽しむための準備ガイド

ウルトラマラソン/Ultramarathon

東京から数時間圏内に行ける、自然豊かな離島が伊豆大島です。その大島ではマラソンやトライアスロンの大会が開催されており、多くのアスリートが島に訪れます。今年、その大島で初めての開催となる「 伊豆大島ジオパークマラソン 」が開催されました。

今回はその記念すべき第一回大会に出場した記録と次の大会に向けての作戦を紹介したいとおもいます。

伊豆大島ジオパークマラソン コースの特徴

伊豆大島のコースの特徴は、レース前半の海岸沿いからのアップダウンのきつい大島一周道路です。スタート直後は、海岸線を横目にみながら走ります。大島の綺麗な海と、緑豊かな山、そして大迫力の「大地層」と、大島の自然を心行くまで感じることができます。

 

伊豆大島ジオパークマラソン

その分大島一周道路はアップダウンがある険しいコースなのでしっかりと休憩やコンディションを整えて完走を目指したいです。

コースマップ

 

伊豆大島ジオパークマラソン レースの作戦

完走を目指すにあたって、私は3つの目標をたてました。それが、「つらさない」・「焼かない」・「切らさない」です。

「つらさない」

大島はアップダウンは多くあるため、登りや下りで過度に体に負担をかけないように心がけました。
特に登りでは、「歩く登り」と「走る登り」を見極められたことが完走の大きな要因でした。
具体的には、体に負担のかかるある一定の斜度に達したら無理せずに歩く、ということです。
判断基準となる斜度は、その人の走力によるのですが、足のふくらはぎに「ハリ」を感じて、それを続けると痛みが出てくる場合には、その斜度では歩くことをお勧めします。
 
下りでは、着地の衝撃を和らげるようになるべく小幅で下るように心がけました。
また、下りに入るころには足もつりかけていたので、とにかくつりそうになったら1分歩き、走るを繰り返していました。
完全につってしまうと足に深いダメージが残ってしまうので、レース全体を通じてとにかく「完全につらさない」ようにペース配分しました。

「焼かない」

5月の大会でしたが、当日は天気も良く日差し対策をしたことは正解でした。山に入ったあとは多少の木陰がありますが、海岸線や市街地のコースは木陰が少ないので直射日光を浴びます。
日焼けは火傷と同じで体へのダメージです。レース中の影響もそうですが、むしろレース後2~3日の長期間にわたって体が火照り続けて体の完全な回復を妨げてしまいます。

「切らさない」

私は今回マイボトルを持って走り、常にエイドでボトルに半分ほどドリンクを入れてもらうようにしてもらいました。かなり気温が熱かったのでこの判断は正解でした。
大島のエイドは、「水」と「スポーツドリンク」の2種類で、世界遺産シリーズに見られるようなスペシャルドリンクはありませんでした。コースも市街地であれば問題ないのですが、山の中や海岸線沿いは自動販売機もなく、万が一のどの渇きが限界になっても自分で購入することはできないので注意してください。

レースログ ~レース準備編~

フェリー+宿予約

大島マラソンのレース準備は走る・装備を整えるだけではありません。大島の宿と往復フェリーの予約をしっかりと行うことが大事です。

大島着から大会開始までには注意があります。大島に6時頃着いてその後に当日受付、そして8時にマラソンがスタートします。つまり、フェリーの移動からすぐにレースに移行します。そのためフェリーの移動で寝不足や体調を整えることができないとその翌日のマラソンに悪影響が出てきてしまいます。そこでレースの完走や記録更新を狙う人にとって、フェリーでしっかりと休養をとることが大切です。

快適にフェリーで過ごして万全のコンディションでレースに臨むコツは以下の記事にまとめました!

東海汽船フェリー 大会前に役立つ!快適に+お得に過ごすコツ
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大島到着後

6:00 大島到着 (元町港へ移動)

フェリーの着岸港が「岡田港」の場合、レースのスタート会場の「元町港」に向かいます。
この着岸港は当日の波の高さや気象条件によって決まるので、元町港ならラッキーくらいに思っておきましょう。
岡田港から元町港までバスで360円です。交通系カードは使えませんので、あらかじめ小銭の用意があれば安心です。もちろんバス車内でも両替はできます。

6:30 元町港到着 (当日受付 ~ 朝食 ~ スタート前準備)

当日受付を元町港フェリー待合室で済ませた後は、朝食を取りながらレースの準備を進めます。このとき、朝食を前日に買えていない人でも大島で現地調達できますが、全てがそろうわけではないので、やはり事前に購入しておくことをお勧めします
私は、事前に買うのを忘れていたのでフェリー内の自販機でパンを買いましたが、レース前の朝食としては全然足りませんでした。
朝食を購入できる場所
乗船後~レース前で買える場所
フェリー内自動販売機 パン、おつまみ(ナッツなど)
 元町港待合室(大会受け付け) 弁当 (おにぎり2個 + おかず 300円)
元町港周辺の食堂 かあちゃん
推奨:フェリー乗船前に翌朝の分の朝食を買っておくこと

レースログ

8:00 フルマラソンスタート / 8:30 50kmマラソンスタート

いよいよレーススタートです。今回の大会では、フルマラソンの部の参加者が多数で、50kmの部の参加者は50~60名ほどで少なかったように思えます。逆に言えば、入賞を狙うにはいい大会です。
また、フルマラソンの方が先にスタートしたため、50kmの部では比較的早い段階で集団がばらける孤独な走りになった印象でした。

海岸沿いは快調なペースで走る

伊豆大島 海岸線
想定よりもランナーが少ないので、スタート直後の詰まりは無かったので快調に走ることができました。逆に他のウルトラマラソンレースよりもかなり早いキロ5のペースで突っ込んで走ってしまいました。
片道約4kmの海岸線沿いの道で、途中で折り返して元町スタート地点まで戻ったのちにフルマラソンの部と同じコースを走ります。

早くも空腹を感じながら大島一周道路へ

朝食を十分に食べられなかった影響が早くも出てきました。エイドにバナナやパンなどあることを期待していましたが、レース序盤からそのようなしっかりとしたエイドは用意されません。
それまでは、持参していたゼリーを食べてエネルギーをわずかずつ補給して走りました。このゼリーが無かったら走り切れていなかったかもしれません。
 
<ゼリーの写真>
 
20kmを過ぎたあたりの大島公園入り口エイドで、初の固形物エイドでバナナ・ふ菓子にありつけました。
ここで大量に補給を行いました。お腹が膨れるも、この後は大島一周道路の中でも最大勾配の登りなので歩きながらスローペースで登ることになりますし、大量に食べても腹痛に襲われないだろうと判断したためです。特に、腹痛に襲われるようなことはありませんでしたが、想像していたよりも消化に時間がかかってしまいました
その原因は、ドリンクの飲み過ぎにより胃酸が薄くなり消化に時間がかなりかかったためと思います。
 
レースの前半で消化のためのエネルギーが残っていたため大きな問題にはなりませんでしたが、これがレース後半で披露しきった胃腸であったならエネルギー吸収効率が著しく落ちるので、最悪消化不良による嘔吐やそれ以上固形物をうけつけなくなって体がエネルギー切れの状態に陥る”ハンガーノック”の危険性があります。
 
ハンガーノックとは
体内のエネルギー源が枯渇して絶えず空腹感に襲われ、少し走るだけでエネルギーを使い切ってしまい走れなくなります。 特にこのレース終盤では、日も暮れ始めて気温が下がり今までにかいた汗による体温の低下が起こります。ハンガーノックの恐ろしいところは、ひとたびなってしまうと再び食事をしてカロリーを摂取しても、それを分解してエネルギーとする、吸収するだけの体力すら失ってしまうということです。ハンガーノックの対策として、市販されているジェルタイプの補給食を用意することをお勧めします。 
 
25km当たりの山中登りから足がつりはじめる「つらない」作戦を守って走っていても、大島の勾配は厳しくレース中盤あたりから足がつりそうになる感覚に何度も襲われました。つりそうになる部分は、毎レース決まってふくらはぎなので今度からは対策を考えたい所です。
完全につってしまうとその後のランに響くので、つりそうになったら止まるを繰り返してだましだまし走っていきました。
今回のレースでは持参しなかったのですが、足のつり対策にはこのMgサプリがよく効きますので同じように悩まれているかたは是非一度試してみてください。今回もきちんと用意しておけばここまで苦しまなかっただろうと思います。
 



波浮見晴台エイド

伊豆大島 波浮港見晴らし台

大島の下りは登りと同様に長く急こう配です。登りで疲れた足でガンガンに下ってしまうと想像以上に足へのダメージとなるでしょう。ここでも、「つらない」を心がけて下っていき、波浮見晴台エイドに着きます。
ここのエイドでは、特別なメニューとして「コロッケ」がありましたが、レースの後半に差し掛かって胃がうけつけない感じがしたので食べられませんでした。いつもの大会では、比較的なんでも食べられるので、やはり朝食抜き+エイドでのバク食いの影響で胃腸が疲れてしまったのだと思います。
波浮港まで下りてくれば、今まで通ってきたような急こう配はありませんが、それでも走るにはきつい坂も出てきます。私が下りで何度も足がつり、走りのフォームも崩れてきたので、ロキソニンを投入しました。その後は木陰も出始めて、大きなアップダウンも少ないのでゴールまでつっきりました。大島ジオパークマラソンの最大の名所である、「大地層」も気持ちよく走ることができました。記録としては、6時間を切るペースで50kmの部を無事に完走できました!
 

レースログ ~ゴール後~

元町港フェリー乗り場でじゃんけん大会

あまり知られておりませんが、大会終了後の17:30から元町港フェリー乗り場で大会主催のじゃんけん大会が行われております。フルマラソンの部、50kmの部のいずれからもゴール後に大分時間が経った後なので参加者が少なかったですが、逆にいうと参加者にとっては景品をもらえるチャンスが高いということです。

ちなみに、私は合計6人のグループで参加したのですが参加者全員何らかの賞をもらえました!景品は、大島名産牛乳せんべい・ランニンググッズ・温泉無料入浴チケットなどであり、一等は東海汽船フェリーの無料乗船券でした。

水着で入る絶景温泉 浜の湯

伊豆大島 浜の湯

この大会の参加賞に大島元町港近くの、露店温泉「浜の湯」の無料入浴チケットがあります。ここの温泉は水着着用の混浴温泉で、温泉に入りながらも大島の綺麗な海を見れるスポットです。レース後の疲れた体を温泉で癒しながら絶景を見て大島を堪能してください。

エイドログ

 エイドは大会によって特徴が様々なのですが、伊豆大島ジオパークマラソンは最大でも50kmであり、途中での荷物のピックアップはありません。また、救護系エイドやマッサージエイドはないので、サロンパスやばんそうこうなどはエイド中に期待できません。万が一痛みが出てしまったときに備えて、痛み止めを持参することをおすすめします。
エイドは、前半の20kmまでは食べ物類は少な目で、かぶり水はペットボトルにいれている場所がありましたが豪快にかぶれるという場所はありませんでした。
 
 また、他の大会では大会設置の公式エイド以外にも、地元民やランナーズクラブが私設エイドを出しているのを見かけますが、今回は2~3個ほどしか見当たりませんでした。
 
今回のレースでの反省は、海岸沿いの第1・2エイドから第3エイドまでの距離が異様に長く感じたので、恐らく元町港にもエイドが一個あったのかと思われます。事前にエイド場所を確認しておけばこのようなミスを防げたと思います。また、各エイドに次のエイドまでの距離を表示していたので、それもレース展開の参考になるかと思います。
 
エイドの間隔は事前に確認しイメージしておくこと。

装備ログ

伊豆大島ジオパークマラソン 装備ログ

今回の装備としては、
  • 半袖シャツ
  • 帽子
  • サングラス
  • アームカバー
  • カーフガード
を着用して、まだ5月でしたが日焼け対策をばっちりと行いました。
しかし、半ズボン長さのランニングパンツを忘れてしまい、少々熱かったですがロングパンツで走りました。
 
その他、携行品は
  • ビップエレキバン
  • 日焼け止め
  • ワセリン
  • 痛み止め錠
エレキバン張った箇所は、足のつけねに2か所、膝の裏2か所でリンパを意識した場所に貼りましたが調子良かったです。ワセリンは指先、足裏、股関、お尻に塗ることで擦れを抑えることができました。毎回カーフガードはつけるのですが、ふとももは攣ってしまうのでカーフガードが合わないのか、そもそも筋力不足なのか、いずれにしても課題は残ります。
 
補給食は
  • ゼリー*1個
  • 飴*5個
でした。
今回のレースの反省点ともつながりますが、補給食の量が少なすぎました。
いつものウルトラマラソンと異なり、レース中での荷物預かりが無く、また距離も短いため補給食は少なくていいだろうと高を括っていましたが、朝の朝食も十分にとれず、レース中のエイドに頼りきっていた作戦が失敗でした。
装備品として最低限Energy gel, 足攣り対策のGelは確保すること

ダメージログ

伊豆大島ジオパークマラソン ダメージログ(下半身) 伊豆大島ジオパークマラソン ダメージログ 「つらさない」作戦でいったものの、右ふくらはぎ・右太もも裏がつりかけて、右しりが痛かったのでフォームの乱れがあるのかなと思います。また、首から肩にかけての筋肉痛が続いたので、下半身以外にも上半身を鍛える必要があるなと思いました。
 

絶景コースや感動のゴールの瞬間も「ログ」に残す

マラソン大会やトライアスロン大会のレースは過酷ですが、そのコースには壮大な景色があったり沿道の歓声を浴びながらゴールした感動の瞬間など、記録として残したい場面はたくさんあります。
しかしレースでは、「スマホのカメラではブレブレで上手にとれなかった」とか「そもそもレース中にカメラを持っていなかった」と思い出を映像として残せないことが多いです。

そして、GoProなどのアクションカメラの購入を検討するも「高いし日常的に使う訳じゃないからもったいない」とか「万が一大会ですぐに壊れたりなくしたら大損だ」と考えて結局購入する決断がつかないというのはあるあるですよね。

私もそんな悩みをもつ一人でしたが、この必要なときに必要なものを「モノカリ」でレンタルするようにして悩みは解決されました。

実際にマラソン大会の様子を撮影して編集したのがこちらです。

こうして記録として残すと走ったコースの景色やゴールの感動までしっかりと残すことができます。

これはGoProで撮影しましたが、「モノカリ」でレンタルできる機種や費用はコチラからご確認ください。

カメラは高い買い物ですし、実際に使用してみないとわからないことも多くあります。まずはレンタルで試してそのカメラの特徴や自分のニーズにあっているか確認してから購入する、というのがお勧めです。

まとめ

伊豆大島のコースの特徴は、レース前半の海岸沿いからのアップダウンのきつい大島一周道路です。スタート直後は、海岸線を横目にみながら走ります。大島の綺麗な海と、緑豊かな山、そして大迫力の「大地層」と、大島の自然を心行くまで感じることができます。

コース的にも大島はアップダウンが多くきついレースであるため、過度に体に負担をかけないよう「つらさない」・「焼かない」・「きらさない」で対策をとりました。

走力やコンディションによってコースの感じ方やダメージの残りかたも異なると思いますが、今回紹介した内容は今後の大島で開催されるマラソン大会の「フルマラソン」「ウルトラマラソン」に共通した特徴だと思います。

自然豊かな大島でのレースに参加される方にとって少しでも役立つ情報となれば幸いです。

 

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