ビールの基本 ビールを楽しむ基礎知識 [自家醸造ビールの楽しみ方(1)]

ビールは様々な種類あり、楽しみ方は飲むだけでなく見た目や香りを楽しんだり、世界各国のビールを飲み比べたり、瓶ビールのラベルをコレクションしたり。そんな楽しみ方の一つとして、ただビールを購入するだけでなく自分でビールの製造方法を理解し、そして自分好みのビールを探求する、つまり自家醸造( HOME BREWERY)です。はじめに、ビールの製造は酒造法により禁止されております。それを理解したうえで、ビールをより楽しむために自家醸造を始めたい人向けの記録です。今回は ビールの基本 を紹介します。

はじめに

個人でアルコール類を製造する際には、アルコール分1度以上にならないように注意する必要があります。個人で醸造を楽しむ場合は、あくまで香りや風味を楽しみ、高アルコール度の飲料にならないように注意が必要です。

酒類を製造する場合には税務署長の免許が必要となります。
酒類とは、酒税法上、アルコール分1度以上の飲料(薄めてアルコール分1度以上の飲料とすることのできるもの又は溶解してアルコール分1度以上の飲料とすることができる粉末状のものを含みます。)をいい、当該製品により製造されたものがアルコール分1度以上の飲料となる場合は、酒類製造免許が必要になります。アルコール分が1度未満となるようにしてください。

国税庁HP

ビールの基本 :歴史

ビールの誕生

パンとビール

ビールの誕生の仮説として有名なものは、発芽した大麦(麦芽)をこねたものを放置し ておいたら膨れ(麦芽パン)、そこに水をいれたも のを放置しておいたら泡が浮かび、パンとビールの 歴史が始まったというものです。この「膨れたこと」 「泡が浮かんだこと」が酵母のなせる発酵です。

ビール醸造の最古の記録は紀元前3000年頃にメソポタミアのシュメール人が残したモニュマンブルーです。当時のビールはシカルと呼ばれ、麦芽の粉で焼いたバッピル(ビールブレッド)を水で溶き野生酵母で自然に発酵させたものです。他にもメソポタミア、 エジプトの両文明ビールが存在していました。エジプトピラミッド建設の際に労働者が栄養ドリンクとしてビールを飲んでいたと言う説話は有名です。

ゲルマン民族の大移動とビールの拡大

ビールの基本

部族結束の宴会が盛んだった古代ゲルマン人とってビールは必需品でした。 彼らは砕いた麦芽をそのまま鍋で煮て麦汁にし、 自然発酵させているを作っていました。4世紀後半からのゲルマン民族の大移動によりビールはヨーロッパ全体に広がっていきました。

キリスト教の布教とビール

キリスト教 修道士

8世紀後半にカール大帝がゲルマン民族の大移動で混乱した西ヨーロッパを統一し、制服した土地に教会や修道院を建ててキリスト教を広めました。修道院では巡礼や断食修行者への栄養補給にビールが重宝され「液体のパン」と呼ばれました。

古代のビールは香りづけのためにハーブやスパイス、薬用植物を入れるものでしたが、ホップと出会い、現在飲まれているものと香味が近い近代ビールがドイツでその歴史をスタートさせました。

日本のビールの歴史

乾杯

日本のビールの歴史は明治に入ってからの約150年です。世界のビール史から見ればまだ最歴史ですが、現在の日本でもビールを幅広く飲まれ愛されております。

国内初のビール醸造場は1869年に横浜に開業したジャパンブルワリーだったとされています、よく70年にはアメリカ人コープランドが横浜の山手でスプリングバレーブルワリーを創立しました。これらのブルワリーは東京や横浜の居留外国人やビールの味を知る日本人けに販売しておりました。このジャパンブルワリーの倒産後の85年にジャパンブルワリーカンパニーが設立されキリンビールを発売します。 76年には札幌に開拓使麦酒醸造所が創設され77年にサッポロビールが出荷されました。 東京では90年にエビスビールが発売され大阪では92年にアサヒビールが発売されました。

ビールの基本 :原料

日本の酒税法では、麦芽、ホップ、水がビールの原料として定められております。

麦芽(モルト)

モルト

麦芽とは麦を発芽させたものです。麦から麦芽を作る目的は麦に含まれるデンプンやタンパク質を糖やアミノ酸に分解するための、酵素を生み出すことです。糖は酵母に食べられ分解されることでアルコールと炭酸ガスになります。またアミノ酸は酵母が生きるための必須の栄養素です。酵母はデンプンやタンパク質をそのままでは食べられないので、麦芽にすることで生まれる酵素は必要なのです。また麦芽はビールの味や香りにも影響します。麦芽の中には、ビールの色のバリエーションを広げる目的で使われる色麦芽と呼ばれるものがあり、褐色や黒いビールなど様々な色を作ることができます。

主要な麦芽の種類

ペールモルト

基本の麦芽で淡色麦芽とも呼ばれる。時間をかけて高温で乾燥させたもので多くのビールに使用されている。

ウィートモルト

小麦の麦芽でタンパク質を多く含むためビールを白濁させる作用がある。ビールの泡持ちを良くさせる。

ウィンナーモルト

色麦芽でありペールモルトよりやや高温で乾燥させたもの。赤みがかった色とナッツのような香ばしさが特徴です。

カラメルモルト

色麦芽であり麦芽に水を含ませてから乾燥させたもの。カラメル香の強い甘みのあるビールになります。

チョコレートモルト

色麦芽であり名前の通りチョコレートのような色で、 ウィンナーモルトと同じく香ばしナッツの香りがします。

ブラックモルト

色麦芽であり高温で焦がしたもので、スモーク臭がつくものもあります。スタウトなどの黒いビールに使われます。

ホップ

ホップ

ホップはつる性の植物で、ビールに特有の苦味と爽やかな香りを与えることです。ビール醸造には主にに受精の雌株の花を使います。ホップの成分にはビールの泡形成やもちをよくする作用や殺菌作用があります。ビールの製造時に乳酸菌が入り込むと、ビールにふさわしくない香りや風味を与えてしまうことになります。そのためホップを入れることで乳酸菌の成長を抑制します。ホップに含まれるポリフェノールにはタンパク質と結合し沈殿することでビールの濁りを取る作用もあります。

ファインアロマホップービアスタイル(ピルスナー・シュバルツ)

アロマホップやビターホップに比べて穏やかな香りを持つ:ザーツ(チェコ)・テトナング(ドイツ)

アロマホップービアスタイル(ジャーマンピルスナー・ヴァイツェン)

ファインアロマに比べて強い香りを持つ:ハラタウトラディション・ペルレ(ドイツ)・カスケード(アメリカ)

ビターホップービアスタイル(エール・スタウト)

上の二つに比べて苦味が多い:マグナム、ヘラクレス(ドイツ)、ナゲット、コロンバス(アメリカ)

水

ビールの原料は9割以上が水です。ビール醸造にはカルシウムやマグネシウムなどのミネラル成分を適当に含んだ水が適しています。一般的に濃い色のビールには硬水、淡い色のビールには軟水が適していると言われています。

硬水:ペールエール・ダークラガー向け

軟水:ピルスナー・ライトラガー向け

酵母(イースト)

酵母

酵母 はビールの歴史の最初から主役として登場していましたがその存在は明らかとなっておらず、19 世紀前半になるまでは発酵は神秘的なものと考えられており、「上手にビールができるのは神の恵み、失敗は魔女の仕業か精神の不足」と言われていたほどです。1680 年にオランダのレーヴェンフックがビー ル中の酵母を顕微鏡で観察し、酵母の存在が初めて 明らかとなりました。

ビール醸造に用いられる酵母は直径5から10ミクロンの微生物で、大きく上面発酵酵母と下面発酵酵母に分けられます。 酵母は糖を分解してアルコールと二酸化炭素を生成します。これは発泡性の酒であるビールを作る大切な役割です。また後イルコーヴォによりビールの香りや味は大きく特徴付けられます。

上面発酵酵母(エール)

発酵温度は15℃から25℃で発酵期間は3日から5日と短いことが特徴です。副産物が多くバナナに似たフルーティーな香りがするエステルが豊かです。発酵中にブクブクと表面に酵母が浮かんで層を作ることから正面発発酵式と呼ばれています。

下面発酵酵母(ラガー)

発酵温度は約10℃で発酵期間は6日から10日で長い。シャープな飲み口で発酵タンクの底に酵母が沈む特性を持つ。

最後に

今回はビールの歴史と、ビールの基礎について紹介しました。ビールの誕生はそもそも偶然によるものであり、ビール作りの成功は神のみぞ知るという状況でしたが、現在では科学技術の発展でビール作りに必要な様々な技術が解明されております。それでもビールを作るためには、麦芽・ホップ・水・ 酵母の組み合わせが必要であり、美味しいビールを実現するために今もなお様々な取り組みがされていると思います。ビール業者が製造販売するような完璧に近いビールでなくても、実際に自分で試行錯誤しながら好みのビールを探求・開発していくことにロマンを感じます。次回は実際にビールの製造工程について紹介したいと思います。

世界中のビールや、この記事で述べたビールの基礎知識に興味がある方は以下もどうぞ。

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