2023年、「異次元の少子化対策」などの言葉を聞いたり、男性の育児参加を促すために「育児・介護休業法」が改正されるなど男性の育児参加が世の中から大きく注目されました。
そんな中、幸運にも私は約1年間の育児休業を取得でき、また「男性育休」に対して世の中が注目していたので自分なりに育休中に考え、感じたことを記録に残しておきたいなと思いました。
ただ漫然と育休を過ごすのもためにならないと考え、育休前の段階で自分に「育休中の自分に聞きたい12の質問」を考えて、それについて「初めの2ヶ月〜半年〜復帰まで1ヶ月で考えがどう変わるか」を定期的に振り返ってみました。全質問を載せると長くなってしまうので以下の記事にまとめました。
本記事を読む際も「こういう考えや経験もあるのだな」という気持ちで読んでもらえればと思います。
はじめに我が家の環境 : パパが専業主夫、ママが職場復帰
なぜ一年間の育児休暇を希望したのかと言うと、我が家は私が育児休暇を取得しなければならないという状況にありました。 妻は出産前に転職を行い、「勤続一年未満の人には育児休業が与えられない」状況でした。
また1年取得した理由については、純粋に自分が1年間長期で育児に携わりたかったことと、仕事から離れてみて自分がどう感じるかに興味があったからです。
妊娠出産は十月十日と言われますが、もし私が1年間の育休を取得できれば10ヶ月間は私が主に子供の面倒を見る育児に専念できるため妻の妊娠出産の10か月と私の育児休暇の10ヶ月で平等になると考えたのも理由の一つでした。育休を取得する前に感じたことはこちらの記事でも紹介しております。
育休の形は夫婦によって人それぞれで、「同時期に夫婦揃って取得する」「夫婦で取得時期をずらして取得する」「妻だけ・夫だけ取得する」と様々ある中でどの形態が理想的であるとかは語りませんが、は「夫側が平日はメインに育児を担当し、妻は仕事後に育児に参加してくれる」という形態でした。
妻は仕事復帰したといっても「時短勤務」や「週休4日勤務」など労働時間を職場と相談して柔軟に決めてくれたので、平日5日間ぶっ続けで育児という期間も育休の後半には少なくできたので非常にありがたかったです。
もう一つ重要になるのは、両親・義両親にどれだけサポートを頼れるかという点についてですが、私の場合は両親・義両親ともに家から約1時間ほどの距離に住んでいたために比較的頼りやすかったという環境でした。また自分の両親はすでに仕事を定年退職していたために平日にも頼ることができたのがありがたかったです。
– パパが育休をとり平日の家事・育児を主担当
– ママは産後休暇の後、産後3ヶ月で職場復帰。時短勤務や週休4日の期間を設けてサポートしてくれた
– 両親・義両親ともに1時間の範囲内にすみ、両親からは平日もサポートを得られた
質問:子供と二人きり、大人と話さなかったり社会から離れた時に自分はどう感じるか
育休入る前にあげた選択肢
- 思ったよりも平気だった、自分の一人のペースで進められてむしろ快適
- やっぱり人との繋がりが大事だった、仕事を通じて社会に貢献している感じが好きと再認識
- 家族や友人など必要最低限の既知の人と連絡が取れたら大丈夫だった
- SNS などで共通のコミュニティの人たちとつながっていればいい
- 自分だけが取り残されるような孤独感を感じて焦る
やはり関心として高かったのは、社会人になってから7年間ずっと働いてきたのにいきなり育児にシフトすることについて、どう自分が感じるかなということでした。
育休取得して最初の1,2ヶ月→5. 孤独感ののちに開放感を感じる
なんだか社会から取り残されるようで孤独感を感じて不安でした。仕事用のPCも万が一連絡がないか確認のために毎日開いておりました。自分でも印象的だったのは、育休に入って1週間後に職場の人に送迎ランチを企画してもらったのですが、育休開始一週間の時点ですでに寂しさを感じていました。その時の感情を説明するのは難しいですが多分、「自分がいなくても仕事は回っていくんだなぁ」ということを初めて実感したからだと思います。
先週のオンライン会議で挨拶して、育休に入って一週間だけど、、たった一週間なのにすでに寂しさを感じる。これが育休中に感じやすい孤独ってやつなのかな
– 10年日記から引用 –
寝不足の日々が続きましたが、それでも産後体力が戻りきっていない妻を家でサポートできたり、四苦八苦しながらも新生児育児を通して一通りの子育てスキルを身につけられたのは、今から振り返るとこの後の育休生活でも大きな財産となりました。
育児も一通りのながれを掴んだ後は、「平日なのにお仕事行かなくていいっ!」とか「日曜日夜の憂鬱(サザエさん症候群)からオサラバ!」と開放感を得たこともありました。
少し生活に慣れてくると、子育て関連での輪を広げようと地域の子育てコミュニティに参加してみましたが、自分の赤ちゃんはまだ生後2ヶ月でまだ寝ていることしかできない状態でした。
そこに来ているママさん達と話してはみましたが、遊びに来ている人は赤ちゃんがある程度ハイハイとかして遊べる0歳後半や1歳以上という人が多かったため、ちょうど同じくらいの月齢の子達はいませんでした。
赤ちゃんを見て「あー小さい頃が懐かしい」と話かけられたり「今何ヶ月ですか?ハイハイ上手ですね」と話しかけたりはできたのですが、ちょうど同じような月齢の子どもを持つ人と話し合うことはできませんでした。
何より、自分の子供がまだ小さい中、ハイハイや歩いてる幼児の近くに寝かせるのは潰されちゃうんじゃないかと思ってヒヤヒヤしてしまいました。そんなこともあってコミュニティに参加するのはまだ早いかなという風に思ってそれ以降は足を運んでいませんでした。
今日は地域の赤ちゃん教室デビュー✨
総勢20組ほど参加してましたが、パパも来ている家族は他に一組だけで、こういうイベントではパパのマイナー感がありますね、、ママはイベントを通してママ友を作れるけど、パパはどうだろう、、と考えてしまった🤔#育児
— マーク@11m初👶 1年育休取得🔰パパ (@mark_patanity) July 7, 2022
この時期はちょうど夏で暑くなってきて外に出かけにくくなってしまったので余計に足が遠のいてしまいました。
そのためこの時期は、無理にグループや仲間を作るのでなく家で快適に過ごせるような環境づくりをしたいと思っていました。
育休取得半年たって思うこと→1,3 自分の時間を大事に、家族・友人との交流再会でリフレッシュ
仕事のストレスが恋しいなぁとかあの達成感を味わいたいなっていうような感覚はまだなかったです。
たまに子供が夜中ぐずったりして、睡眠不足の時とか泣き止まないという育児のストレスから逃れるためなら仕事復帰もいいのかなっていうように考えたことはありました(笑)
この時期は自分の家を快適なスペースに変えて、リラックスした時間を送れるようにすることに注力しました。
具体的には、
・整理整頓、子供が危なくないようにレイアウト変更
・ホームシアターの導入
・コーヒー時間
などの自分時間を充実させるようにしました。
また少しずつ赤ちゃんの生活リズムができてきてからは、赤ちゃんの朝のミルク(午前3, 4時)後に二度寝してくれた時間を使って
・読書
・プログラミングの勉強
などの学びの時間も取れるようになりました。
夏の厳しい暑さを超えて、秋口のお出かけしやすい季節になってからは
・近所のお散歩
・まだ行ったことのない場所へお散歩
もできるようになってから赤ちゃんと二人きりで過ごす時間も悪くないなっていうふうに思ってきました。
あかちゃん👶にはミルク🍼
大人👨👧には珈琲☕〜あかちゃんがミルクを飲み終わったら、おとな時間〜
…とここまでが理想で、現実には「げっぷ」「あやし」で珈琲はしばらくお預けに。それも含めて幸せ時間#育児日記 pic.twitter.com/nySeg936gS
— マーク@11m初👶 1年育休取得🔰パパ (@mark_patanity) September 21, 2022
自分のご機嫌をとる方法
スパイスから作る自家製チャイ
スパイスを潰すときの香りに癒やされます✨
その過程や一手間に「自分の時間を使えてるなぁ」と思えるので好きです pic.twitter.com/Fpr3yBeUYw— マーク@11m初👶 1年育休取得🔰パパ (@mark_patanity) September 25, 2022
また赤ちゃんが5ヶ月6ヶ月ぐらいになる頃から友人とも少しずつあったりできたので、それが良い気分転換になりました。
育休半年 ~ 保育園入園前 → 3 家族の支えでなんとか乗り切った冬
生後半年経ってからは子供の自我というか要求がはっきりしてきて、なおかつ「ずりばい」→「ハイハイ」など行動範囲が広がったのでなかなか一人で心穏やかに過ごす時間をとることが難しかったです。
赤ちゃんの行動範囲が増えるとその分部屋のレイアウトとか危ないものを置かないように、と気を付ける点も増えるのが悩みでした。
息子氏(7m)、ついに「ずりばい」をマスター🎉
移動範囲が広がったことでいろいろなものに興味津々です!同時に危ないと思われるコードやコンセントなどから守る作業もしています😅
— マーク@11m初👶 1年育休取得🔰パパ (@mark_patanity) December 13, 2022
最近はいはいするようになった息子(8m)、知らないうちに扉を閉めるように、、
トイレに行って扉の向こう側にいられると扉を開けられないのよ😅— マーク@11m初👶 1年育休取得🔰パパ (@mark_patanity) January 11, 2023
そのため、家の中でもリフレッシュの時間を取ることができずに精神的に落ち込んでしまう時もありました。 特に子供の「自我の目覚め」の時期と、「気温が寒くなり出歩きにくくなる」冬の時期が重なってしまったのも気分が落ち込んだ大きな要因だったと思います。この話はまた別の記事で紹介していますので詳しくはこちらをご覧ください。
この記事でも解説していますが、自分の両親に「子育て辛い、助けて欲しい!」という風にヘルプを自分から出せたのが非常に大事でした。幸いなことに両親は平日に時間も取れるし、電車で来れる距離に住んでいたため、週に1回から2回、こちらの家に来てくれたり私が実家に行ったりということができたのでいい気分転換になりました。何より、子供を自分以外の大人に見てもらってゆっくりする時間ができたのが精神的にも肉体的にも良かったです。 これは私が実家からの距離が1時間ほどであり、また家族も定年を迎えて 比較的時間にゆとりがある状態だったためにできたことであるので私は幸運だったのだと思います。
保育園入園、復職前1ヶ月 → 1. 保育園に預けられたことでようやく自分の時間を得られた
4月になり息子の慣らし保育が始まると毎日規則的に行動し、外出する機会が増えました。何より1日に数時間だけでも子供を預けられる時間ができたことにすごく喜びを感じました!
同時にこの時期から職場復帰に向けた準備として、「復職前面談の準備」だったり仕事用のPCを開いてみたりすることができました。
(ただ、この慣らし保育の期間も子供が風邪をもらってきたりして1/3ほどは保育園をお休みしなければならなかったのは想定外でした)
今まで触れてきたように「子供がいると集中して何かに取り組む時間がなかなか取れない」状況で、特に子供はキーボードやマウスに触りたくて仕方がなく、PCを使う作業は子供が起きている間はほとんどできませんでした。
そんな状況が続いていたので、仕事復帰に対する気持ちとしては「ようやく集中して一つのことに取り組める時間が戻ってくる!」という、自分でも驚くほどポジティブなものでした
育休を約1年間取得したことを通して、仕事であれ趣味であれ「何か一つのことに集中して取り組むことができる時間はとても貴重であり、精神安定の要である」ということに気づかされました。
まとめ
本記事では「子供と二人きり、大人と話さなかったり社会から離れた時に自分はどう感じるか」を育休の初期から復職前までの状況と心境の変化を述べながら振り返ってみました。
約1年間という目で振り返ってみると、社会から離れたり友人と今までのように気軽に会える時間は少なくなってしまい最初は孤独感を感じつつも、どこか開放感を同時に感じてもいました。最初は子供や妻と過ごす時間は家の中が多かったので自宅を快適に過ごせるように試行錯誤し、妻の体調が戻ってきて子供も成長し出かけられるようになると行動範囲が増えて自分も晴れやかな気分になりました。
ただ、真夏や真冬などで外出がなかなかできない時には気分も落ち込んでしまいましたし、体調を崩してしまった時もありました。そんな時に妻や両親が支えとなってくれたことは大きかったです。
ようやく自分の時間を取り戻せ始めたのはもう育休も終わりの頃で、その頃には復職の準備を始めていましたが仕事であれ趣味であれ「何か一つのことに集中して取り組むことができる時間はとても貴重であり、精神安定の要である」ということに気づけたのはこの育休の大きな収穫だったかなと思います。
本記事で紹介した質問とその振り返り意外にも「育休中の自分に聞きたい12の質問」は以下の記事にまとめてありますので、これから育休の取得を検討されている方や、今現在育休中の方、育休をとり終えて他の人の育休はどんな感じだったか気になる人らは是非読んでみてください!
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